2008年4月 前田征宏医師

<Trabectome>
海外研修も終わり、日本に帰り仕事を再開しました。1ヶ月ちょっとでしたが、非常に多くの刺激をもらい充実した研修期間でした。 このような形の短期留学をすることは非常に珍しいケースだと思いますが、学んだことを自分の患者さんをはじめ、多くの人に還元していきたいと思います。
さて、今回研修してきたTrabectomeを医師個人輸入し、中京病院で手術を開始しました。 現在私の上司である渡辺三訓医師と私の二人が日本でこの手術を行うことができるようになりました。 もちろん対象となる患者さんにはきちんと説明し、他の選択肢も説明し、同意を得たうえで行います。 手術はアメリカで研修を行ってきたので、それほど違和感を感じることはありませんでした。しっかり見えれば手術できるので、いかにして手術部位が見やすい体勢をとるかが大切です。手術はこれまでみてきた他のドクターと同様、20分ほどで終了しました。 結果も予想通りの15mmHg前後の眼圧が得られています。 術後の治療が大切で、点眼薬を数ヶ月間は使用するのですが、それも徐々に減量して注意深くフォローしていきたいと思っています。 もちろん手術が無効あるいは不十分であれば、従来の方法を含めた治療を行う予定です。
この手術は全ての緑内障患者さんに万能な、魔法のような手術ではありませんし、眼圧を10mmHg以下まで下げるような手術では決してありません。したがって日本人で多いとされる正常眼圧緑内障の患者さんで、どれだけ有効かまだはっきりしたことはわかりません。
しかし、すべての緑内障患者さんが10mmHg以下にしなければいけないわけではなく、15mmHgまで下がれば十分な患者さんも多くいます。 この手術が対象となる患者さんにとって、術後の見え方が悪化するような合併症が非常に少ないこと、通院・加療は必要であるものの、早期の社会復帰が可能なこと、そして何より、もし有効でなかった場合、結膜を温存しているため既存の手術療法に影響を与えないことは大きなメリットだと思います。 効果不十分だと判断すれば、従来通りの手術を行うことができます。
海外の報告同様、日本人でも有効かどうか、中京病院の我々だけの手術結果でそれを判断することはできません。したがって、学会で発表し、数多くの施設・先生方にこの手術を知って頂き、その有効性を多くの施設で正しく検証し、近い将来この手術が患者さんにとって有効な選択肢となることを願っております。
この手術に関する問い合わせは,株式会社中京メディカルの問い合わせ先フォームこちらにお願いします。
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